川目田植踊

かわめたうえおどり

Kawame Taue-odori

所在地 : 岩手県釜石市 唐丹町

種別 : ⽥植踊

三陸沿岸唯一の田植踊りとして唐丹町川目地区に伝承されていたが、すたれゆく郷土の伝承を惜しんだ地区民たちが力を合せて復活させた。この踊りは江戸時代の初期から豊年万作を祈願し、祝い寿ぐ行事として踊り継がれてきた。もともとこの田植え踊りは伊達藩内に広く普及した踊りと言われているが、三陸沿岸地帯の相次ぐ津波により衣装を失い、踊りの前後に述べる口上書も流されてしまい、さらに踊り手も21人も必要とする踊りだけに後継者難にあい、加えて若者の流出などで旧正月の地区内で行われてきた門付けも、絶えて次々に姿を消していった。幸い地区に踊りから口上まですべてを記憶している古老等あり、健在のうちに伝承を受けなければ消えてしまうと地区の婦人会と有志が中心となり、農作業の終わったあとの公民館に集まり古老等の指導を受け、「早乙女」といわれる12人の女の踊手、6人の男手によるはやし、口上を述べたり、狂言をやる「孫左エ門」「孫蔵」など21人のメンバーはいずれも今後地区内に定住する長男と嫁などを中心にして再び絶える心配のないように、二男などの若者は補助役を与えるなど考慮した。
踊りは非常に典雅優美な趣きの中に動きが激しく、その中にある優美さ、昔の田植えの状況、水の必要性などを説く口上、そして狂言などの趣きのある芸能である。