中村麦まき踊

なかむらむぎまきおどり

Nakamura Mugimaki-odori

所在地 : 岩手県釜石市

種別 : 踊り

もともと中村地区は、神楽をはじめとする郷土芸能の盛んなところですが、その中村神楽の演目のなかに「畑蒔」という狂言があります。「中村麦まき踊」は、この狂言に工夫を凝らして、明治初期の頃から踊られるようになったと伝えられています。
大正末期から戦時中まで途絶えていましたが、その後地区の青年たちが、若い頃芸の道を志し諸所を巡業して歩いた八幡丈右ェ門氏の指導を受け、昭和21年旧正月の演芸会で復活させたものです。
単調な囃子で、今は見ることも体験することもできない農事の麦まきから収穫に至るまでの仕事振りを演じ、食糧確保の厳しさを描写した芸能として貴重な資料でもあり、私たちの祖先の姿でもあります。